お酒に人生奪われていない?
僕はお酒を飲まない。
決して体質的にお酒が飲めないわけではない。
以前は毎日のように飲んでいた。
あの酔った感じは嫌いではない。
体がふわふわして、些細なことがどうでも良くなってしまい、気がとても大きくなる。
人によって泣き上戸や怒り上戸など色々あるが、少なくとも僕の場合は楽しい酒だ。
それがある日を境にピタッと止めてしまったのだ。
ストレスの多い日常を過ごしていたのなら、お酒はちょっとしたガス抜きになっていいのかもしれない。
だけど、座禅を続けているとそもそも些細なことが普段から気にならなくなる。
ぐちもあまりでなくなるし、だんだんと今起こっていることにフォーカスが合ってきて、過去の後悔や未来の不安というのにあまり振り回されなくなるんだ。
だから、ストレスもあまり貯まらない。
となるとお酒の効用というのがあまり意味をなさなくなる。
それでもしばらくは習慣でお酒を飲んでいた。
ある日、自分が夜に飲む一杯のビールのために一日を過ごしている事に気づいたんだ。
その日あった出会いや出来事に対して、自分が適当になっている気がした。
いい事イヤな事ひっくるめて夜のお酒でリセットしている感じ。
日中の出来事はお酒というゴールに辿り着くまでの車窓を流れる風景に過ぎない。
伝わりにくいかな。
常にお酒を意識していて、一瞬一瞬に起こる出来事に向き合っていない。
起こったことはとりあえず箱に詰めておいて後でまとめて捨てるような感覚。
ただお酒のために生きているみたい。
実際、世の中にはそんな人は多いみたいだ。
酒を飲むだけが唯一の楽しみって人けっこういるよね。
でもそれってお酒に人生奪われていない?
お酒を飲むとその後しばらくも心が麻痺して、せっかくの生きている時間を浪費する。
二日酔いになんかなれば最悪だ。
その日、一日が無駄になる。
そんな事に気づいてある日お酒をピタッと止めた。
それ以来、一滴も飲んでいない。
お酒を止めての感想は、
「飲んでなくても全然問題ないじゃないか。」
むしろ以前より一瞬一瞬をよりクリアに感じられるようになった。
常にすっきり目覚めた意識で物事を感じられる。
酸いも甘いもありのままに受け止める人生。
ドラマ「トリック」の上田教授じゃないけど、
”ドーンとこい、人生の出来事”
という気持ちだ。
嫌なことがあっても引きずらなければいい。
ためてお酒でリセットするのではなく、その都度リセットするんだ。
座禅や瞑想を続ければそんな生き方が身につくよ。
世間ではよく「お酒飲まないなんて人生損しているよ」と言う人がいる。
それは大きな間違いだ。
断言しよう。
「お酒を飲んでいたら人生損しているよ」